データレポート · 2026-07-07
OSSライセンスの割合
GitHub 約3.33万リポジトリの実データで見る、オープンソースのライセンス分布。
「既存のOSSを改良し、自分のソースは非公開のままサービス(SaaS)として提供できるか」——この視点でGitHubのライセンス分布を集計しました。結論から言うと、商用サービス化に使えるライセンスが大多数を占めます。
01商用サービス化できるOSSはどれくらい?
各ライセンスを「非公開のままSaaS提供できるか」で分類し、構成比を積み上げたのが下の帯です。
02ライセンス別シェア(上位15)
色は当研究所の判定(◎本命/△GPL/○条件付き/✕回避)に対応。バーはシェアの大きさを表します。
単位は%。母数はライセンスが検出された 3,325,634 リポジトリ。各行にカーソルを合わせると判定理由が表示されます。
03なぜMITが過半数なのか
MIT一強の背景には、「制約の少なさ」がそのまま普及の広さに直結するという力学があります。MITは著作権表示を残すだけでよく、企業が製品に組み込む際の法務チェックが最も軽い。npmをはじめとするパッケージ文化でMITが事実上の初期値になっていることも、比率を押し上げています。
Apache-2.0が2位なのは、特許条項による安心感ゆえ。GPL系が合わせて約20%残っているのは歴史的な資産(Linux文化圏の大型プロジェクト)が効いていますが、新規プロジェクトの選好はパーミッシブに傾いています。
母集団はとても広い
改変を隠したまま事業化できるOSSが世の中の大多数、という事実がデータで裏付けられました。「使えるライセンスが見つからない」ことは、まず起きません。
勝負どころはライセンスではなく“需要”
ボトルネックは供給(使えるOSS)ではなく需要の発見です。たとえば「英語のみで日本語対応が無い」といった空白を突けるかが、マネタイズの分かれ目になります。
04データの出典と注意点
- データ源
- Google BigQuery 公開データセット bigquery-public-data.github_repos
- テーブル
- licenses
- 母数
- 3,325,634 リポジトリ(ライセンス検出済み)
- 取得日
- 2026-07-07
実行したクエリ
SELECT license,
COUNT(*) AS repo_count,
ROUND(COUNT(*) * 100.0 /
SUM(COUNT(*)) OVER (), 2) AS pct
FROM `bigquery-public-data.github_repos.licenses`
GROUP BY license
ORDER BY repo_count DESC;
-- スキャン 24.63MB(無料枠内)05よくある質問
OSSなら自由に商用サービス化できますか?
ライセンス次第です。MIT・Apache-2.0・BSD・ISC(合わせて全体の72.6%)は、改変を非公開にしたままSaaSとして提供・収益化できます。一方でAGPL-3.0(1.24%)は改変ソースの公開義務があり、非公開SaaSには使えません。
ライセンスが書かれていないOSSは使えますか?
使えません。ライセンス表記が無いということは、著作権者が全ての権利を保持している状態(全権利留保)です。利用・改変・再配布のいずれにも権利者の許可が必要で、無断利用は著作権侵害になり得ます。
GPLのソフトをSaaSにすると、自分の改変も公開しなければなりませんか?
サーバーで運用して提供するSaaSに限れば、改変を公開する必要はありません(『配布』に当たらないため)。ただしユーザーにバイナリを配布した時点で、ソース公開義務が発生します。
GitHubで最も多いライセンスは何ですか?
MITです。ライセンスが検出されたリポジトリの51.0%を占め、2位のApache-2.0(14.9%)を大きく引き離しています。
この割合はGitHub全体のものですか?
いいえ。ライセンスが検出されたリポジトリの中での割合です。GitHub全体ではライセンス未設定のリポジトリが最多で、それらは原則として利用できません。